【植物本じまん】森と樹木の秘密の生活‐だれも知らない神秘の世界‐

絵本サイズで装丁が美しいアルケミスト双書から、
2021年に発行されている本を見つけました。

森と樹木の秘密の生活: だれも知らない神秘の世界 (アルケミスト双書)
オラヴィ・フイカリ (著), 大出英子 (翻訳)


著者はフィンランド・ヘルシンキ大学森林学部の学部長。
訳者は東京農大グリーンアカデミー副校長で、
「趣味の園芸」の講師も務める方。

学問のプロフェッショナルたちが関わった、
安心感のある一冊です。


フィンランドの叙事詩「カレワラ」を背景にしながら、
樹木が人間にとってどれほど重要な存在なのかを語りつつ、
科学者として、樹木の生育環境や状態を実験的に
再現できるようになってきた話なども、
とてもわかりやすく描かれています。


「樹木とは?」「森とは?」「樹木の種類」「木は眠る?」など、
ひとつひとつのテーマが見開き1ページでまとめられていて、
読み物としてもとても面白い。

同時に、
「樹木や森のことを、どう伝えればよいのだろう?」
と迷った時の参考書のような存在にもなってくれます。

樹木の種数、保有水量、
1本の木が吸収する二酸化炭素量や酸素放出量など、
「あれ、どのくらいだったっけ?」
と曖昧になった時に、ふと開きたくなる情報もたくさん。


コンパクトなのに詳しい。
コンパクトなのに核心をついている。

そして、読めば読むほど、
樹木や森へのリスペクトが深まっていくような感覚があります。

見出しのサブタイトルもなかなか秀逸で、
特に印象に残ったのが、

「樹木は人類のいとこ。」

という言葉。


最初は「え?」と思うのですが、読み進めるうちに、
地球に生きるものは皆つながっている、
という感覚に自然と着地していきます。

手元に置いて、
寝る前に。
朝起きた静かな時間に。

何度でも開きたくなる本。

樹木と共に暮らしている感覚を、
もう少し深く味わいたい人にぴったりの一冊だと思います。


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